第6章 何処にも行けない【十四松、一松】
わたしが松野家に軟禁されてから、3日が過ぎた。
小母さんと小父さんは、帰ってこない。
だれかが助けに来る気配もない。
スマホは、初日の時点でおそ松くんにとりあげられていた。
みんなが襲ってきたのは最初だけではなく、それからも、当然のようにそういう行為をされた。
みんなが裏でなにを話しているのか、そこにどんな取り決めがあるのかはわからないけど、
一人ずつ、体を求めてきた。
ただし、カラ松くんだけはちがった。
カラ松くんが他の兄弟に何をどう説明されているのか知らないけど、わたしがみんなに脅されてここにいることを知らない様子だった。
たぶん、わたしの両親がしばらく家をあけるからその間ここにいる〜とでも言われているんだろう。
夜は、みんなと同じ寝室で眠った。
……と言っても、何かされるかもしれないという恐怖でほとんど眠れないけれど。
でも、体が自由なだけまだマシだ。
それに、みんな、むりやり行為をしてくる以外は、基本的に優しい。
食べたいものはなんでも買ってきてくれたし、必要なものがあれば全部そろえてくれた。
わたしの感覚は、
だんだんと麻痺していった。