第44章 6人とひとり《逆ハーEND》
一松「えっ……子供ができた……?」
わたしの報告に、一松くんは、目を大きく見張った。
……そりゃあそうだ。無理もない。
いきなり呼ばれて座らされて、わたしの第一声が「わたし、赤ちゃんができた」だったら、こんな反応をするのが普通だ。
一松「それって……」
「うん……誰の子かは分からないの。一松くんかもしれないし、他の誰かかもしれないし……」
一松「そっか…」
一松くんは、顔を俯けて、ぼそりと呟いた。
そして、膝の上に置いたわたしの手に、自分の手を重ね、
一松「でもさ……誰の子供でも、僕は責任とるから。それに、カラ松も、みんなも……きっと僕と同じだと思う」
「えっ……?」
一松「さくらがおろしたいっていうなら無理にとは言えないけど……でも、僕は産んでほしい」
「一松くん……」
一松「僕、働くから……さくらのことも、産まれる赤ちゃんも、養えるように頑張るから……」
まさか、一松くんがそんなことを言ってくれるとは思わなかった。
嬉しくて、思わず涙ぐんでしまう。
一松「父親が6人いるのって変かもしれないけどさ……さくらさえ良ければ、そうしたい」
「うん……ありがとう」
一松「とりあえず、まずはおそ松兄さんに相談してみよう…?」
一松くんに促されて、わたしは、おそ松くんにも同じ相談をした。
おそ松くんも、最初の反応は一松くんと一緒だった。
え?って固まって、それから、「ちょい待ち! これ、俺だけじゃなくて他の奴らも呼んだほうがいいやつだわ」と言って、弟たちを呼んだ。
もちろん、カラ松くんをのぞいた4人だ。
おそ松「…で、さくらのお腹の中には、誰の子かわからない赤ちゃんがいる、と」
「うん……」
十四松「ごめんね、さくらちゃん……」
トド松「こうなること、わかってたはずなのに……さくらちゃんを目の前にしたら止められなくて……」
チョロ松「僕も、ごめん……でも、こんなこと言ったらさくらちゃんは怒るかもしれないけど、僕は産んでほしいな……」
チョロ松くんの言葉に、他のみんなも頷く。