第43章 青色《逆ハーEND》
カラ松「さくら……」
「カラ松くん……んっ」
名前を呼んだ唇を、唇で塞がれる。
そのまま、舌を絡ませ合い、唾液を交換する。
わたしは、今、カラ松くんとホテルに来ている。
時刻は、もうすぐ夜の8時を回ろうとしている。
本当は、今日は、映画を見て食事をして帰るつもりだったのだけど、結局、ここに寄り道してしまった。
「ふ…あ……っ」
優しい愛撫。
カラ松くんの唇が、わたしの胸をついばむ。
強い快感ではないけれど、ふつふつと多幸感がこみあげてくる。
カラ松「さくら……好きだよ、さくら……」
「わたしも……っ」
甘い言葉を囁き合いながら、二度目のキス。
と、そのとき。
カラ松くんは、不意に唇を離し、わたしの耳元に鼻の先をすりつけた。
「ど…どうしたの…?」
カラ松「……香水つけてる?」
「えっ……」
さすが、カラ松くん。鋭いなあ。
本当は、つけてくるか迷ったんだけど、
でも、せっかくトド松くんがくれたものだし、それにとても良い香りだから、少しだけ振ってきてしまった。
「うん、つけてる…」
カラ松「いい香りだな。桜みたいな甘い香りがする……」
「チェリーブロッサムっていう香水なの」
カラ松「そうか……トド松がつけてるのと同じ香水だな」
「え……っ」
驚きの声をあげた口を、再び深いキスで塞がれた。
そして、右手で乳房を優しく愛撫された。
「んんッ……」
だんだん、頭が回らなくなってくる。
カラ松くんは、愛撫が上手い。
少し触られただけで、気持ちよくて何も考えられなくなる。
「んん〜…ッ、ふ、あ……っ」
カラ松くんが、トド松くんの香水の種類を知っていたとか、
わたしがトド松くんと同じ香水をつけていることをどう思ったとか、
だんだんどうでもよくなってくる。
「カラ松くんん……っ」
カラ松「ん? どうした、さくら」
「もっとぎゅってして……」
カラ松「…はは、さくらは甘えただな」
カラ松くんは、優しく微笑み、わたしの望みどおり、強く抱きしめてくれた。
愛しいぬくもり……
大好きな、ぬくもり……
カラ松くんの腕の中で、目をとじる。