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【おそ松さんR18】君がため

第37章 青と、海と、涙と《カラ松END》




ふたりで崖の突端まで行き、崖の下の海を見下ろす。

波はあるけれど、比較的静かな海だった。


カラ松「……ごめん、さくら」


ひとつに括られたカラ松くんの手がわたしの手を握る。

その手のぬくもりが愛しくて、わたしも強く握り返した。


「どうして謝るの? これは、わたしがお願いしたことなのに」

カラ松「だって……俺があんなことしなければ……」

「カラ松くんのせいじゃないよ。どのみち、わたしは、もう戻れなかったから……」


わたしは、カラ松くんの肩に、空いた左手を置き、背伸びをしてキスをした。


その瞬間、カラ松くんの瞳から、涙がこぼれた。

けれども、わたしは、キスをやめなかった。

カラ松くんの肩をつかみ、ますます強い力で唇を押し付ける。


しばしそうして唇を重ね合ったのち、わたしたちは、どちらからともなく唇を離した。


「好きだよ、カラ松くん」

カラ松「俺も、さくらが好きだ。世界中の誰よりも、何よりも」

「ありがとう… 絶対に離さないでね」

カラ松「ああ。さくらを離さないし、離れないよ」

「…行こう、カラ松くん」

カラ松「…うん、行こう」


わたしたちは、せーの、で飛んだ。


落ちていく瞬間、夜の黒い海が、一瞬、鮮やかできれいな青に見えた。


きれいな、青……

カラ松くんの、色。


……そっか。

これは、ハッピーエンドだ。

誰がなんと言おうと、わたしたちは、今、幸せなのだから。






<End...>


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