第35章 壊れゆく《カラ松END》
その瞬間、口内に侵入してきたカラ松くんの舌が、わたしの喉の奥に何か固いものを押し込んだ。
「んぐっ…」
それを飲み込んだ瞬間、唐突に、視界が歪んだ。
天井が……壁が……そしてカラ松くんの顔が……歪み、かすみ、どんどんぼやけて見えなくなっていく。
「あ……な、なに……? カラ松くん……何を飲ませたの……?」
朦朧とする意識の中、カラ松くんに向かって手を伸ばし、問う。
すると、カラ松くんは、わたしのその手を取った。
まるで、童話の中の王子様のように。
カラ松「…おやすみ、さくら。良い夢を」
カラ松くんは、わたしの額に口づけをした。
それが最後だった。
わたしの意識は、そのまま、奈落の底へと引きずり込まれていった……