• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第32章 期待《トド松END》




***


ベッドにふたりで横たわって、情事の余韻にひたる。

指と指を絡ませ合って手を繋ぎ、唇が触れ合いそうな距離で話をする。


トド松「……ね、さくらちゃん。ありがとね」

「ん? なにが?」

トド松「ホテルついて来てくれて…… 居酒屋だって僕のわがままだったのに、その上こんなところまで……」

「ううん…いいの。わたしも、もうちょっとトド松くんと一緒にいたかったし」


それは、本当だ。

トド松くんと一緒にすごす時間は、すごく楽しい。

それに、……なんだか、落ち着くんだよね。トド松くんと一緒にいると。


でも、そのことは言わない。

だって、きっと、その言葉は、トド松くんを期待させてしまうから。


トド松「……ふふ、ありがと。ねえ、シャワーあびたら、もう1回シてもいい?」


トド松くんは、わたしの耳元に、甘い声で囁いた。


「えっ、もう1回!? トド松くん、眠くないの…?」

トド松「うん、ぜーんぜん♪ それに、こういうことできるのも、今日で最後だからさ」

「…………えっ?」


トド松くんの口から発せられた言葉に、一瞬、頭が真っ白になる。


最後……?

それって、どういう意味?


「トド松くん……?」

トド松「僕、やっぱり最後までさくらちゃんのことが大好きなままだったなあ……はは、だめだね、こんなんじゃ」

「トド松くん、なに言ってるの……?」


トド松くんは、まだ酔いが冷めていないのか、わたしの質問を無視して、言葉をつづける。


トド松「さくらちゃんのこと、大好きだったよ。むりやり抱いちゃうくらい……さくらちゃんが好き」

「……トド松くん」

トド松「でも、このままじゃダメだって、ずっと分かってたんだ。だから……もう終わりにしようね」


トド松くんは、そう言って、わたしにキスをした。

彼が何の話をしているのか、わけがわからないまま、わたしは、トド松くんのキスを受け入れるしかなかった。







胸が、亀裂が入ったかのように、ぴりぴりと痛んだ。



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp