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【おそ松さんR18】君がため

第31章 僕を選んで《トド松END》




カラ松「……難しい質問だな」


カラ松兄さんは、首をひねって、うーんと考え込んだ。

意外だ……いつものカラ松兄さんなら、さくらの美しさが俺を惑わしたとかイタいこと言い出すのに。


カラ松「そうだな……正直、自分でもよく分からない。でも、気付いたときには好きになってた」

トド松「ふうん……」


やっぱり、本気で好きになると、どこが好きとか答えられないものなのかな。

確かに、僕も、「どこが好きなの?」と問われたら、上手く返せる自信がない。


でも……言われてみると、このふたり……

どうして高校時代にくっつかなかったんだろう?

誰がどう見ても両想いだったのに。








そのあと、少し風が強くなってきたので、僕たちは釣りを切り上げて帰路についた。

結局、今日は全然釣れなかった。

僕は、カラ松兄さんみたいにクソしょうもない手紙じゃなくて、ちゃんと魚の餌をつけてたのに、何故かカラ松兄さんのほうが釣れていた。


……あんな手紙に寄ってくるとか、バカでしょ。魚も。


でも、考えてみると、やっぱり、生き物は、誰かの愛情に寄っていきたくなるものなのかも。

だって、愛するより愛されるほうが幸せだってわかっているから。


さくらちゃんも……僕がもっと優しくしてもっと愛情を注いだら、僕のことを好きになってくれるのかな。


そんなことを考えてしまい、必死に頭をふってその考えを追い出す。


やめやめ。そんなこと考えたって虚しいだけだ。

だって、しょせん、さくらちゃんが僕のことを好きになってくれるなんて、有り得ないんだから。



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