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【おそ松さんR18】君がため

第30章 はんぶんこ《十四松END》




「いいよ、首にしよう」


さくらちゃんは、頷くと、カチカチとカッターの刃を出した。

そして、それをぼくの首にあてがい、勢いよく引いた。

とたん、首に強い痛みを感じ、血がぽたぽたと滴った。


十四松「…ッ、いいかんじ、さくらちゃん」

「わたしのも切って、十四松くん」


ぼくも、自分のカッターの刃を出して、さくらちゃんの首にあてる。

そして、刃を引く前に、さくらちゃんの唇にキスをした。

深く舌を絡め合いながら、ゆっくりゆっくりカッターでさくらちゃんの首に傷をつけていく。


「…ッ痛」


さくらちゃんの顔が、痛苦に歪む。

ぼくは、唇を離し、今度は、今さっきぼくが傷をつけたさくらちゃんの首に口づけをする。


ちゅう、と吸いあげると、鉄のような血の味がした。


十四松「さくらちゃん……大好きだよ」

「わたしも……だいすき。十四松くん、ずっと一緒にいようね…?」


さくらちゃんの手が、ぼくの手をにぎった。


ぼくたちは、これからもずっと一緒。

もう離れることはできない。



だって、ぼくたちは、ひとつの痛みをはんぶんこにして生きているのだから。




<End...>



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