• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第29章 泣きたいときは《十四松END》




カラ松「……さくら、この腕の傷、どうしたんだ」


いつものように事を終えて、服を着ようとしたとき、

カラ松くんが、わたしの腕をつかんだ。


たった今、わたしはカラ松くんと居間でエッチをしていた。

今日は、わたしたち以外だれも家にいなかったから…


裸になれば必然的に腕の傷を見られると思ってたけど… 行為の最中には気付かなかったみたいだ。

意外と腕って目がいかないのかな…? そういえば、前に十四松くんに腕を切られたときも、誰も気付かなかったし…


「……ねえ、カラ松くん」


わたしは、カラ松くんの目をじっと見つめた。


……十四松くんのことを相談するのは得策ではない。

でも、わたし自身の悩みを相談するならば、問題ないはずだ。


カラ松「……どうしたんだ?」

「あのさ、大切な人が、もしも自分を傷つけるような行為をしていたら……カラ松くんならどうする?」


わたしがそうたずねると、カラ松くんは、とたんに眉をひそめた。


カラ松「つまり……さくらはアームカットをしているということか?」

「あっ、ちがうちがう! そうじゃないよ。もしもの話ね。これは、猫に引っ掻かれただけ。一松くんの猫が凶暴で……」

カラ松「そうなのか……それならいいんだが……いや、いいってことはないけど」


そして、カラ松くんは、うーん、と首をひねった。


カラ松「そうだな……さっきの答えだけど、俺だったら、とりあえず、その大切な人と同じ場所を同じように傷つけてみるかな」

「えっ……?」


返ってきた答えに、おどろいてカラ松くんの顔を見る。


「な、なにそれ……?」

カラ松「だって、相手の気持ちなんてわからないじゃないか。相手がどんな痛みを背負っているか、どんな苦しみを背負っているか、同じことをすればほんの少し見えてくるような気がするんだ」


カラ松くんは、笑顔だった。すがすがしいほどに。


カラ松「どうしてこんなことをするのか、とか、こんなことやめて、とかは間違っても言わない。だって、こんなこと、って相手の行動を否定する言葉だろ? それは、ますます相手を追いつめるだけだ」

「……っ」


たしかに、カラ松くんの言っていることは筋が通っているし、一理ある。

じゃあ……なに?

十四松くんと同じように手首を切れば、何か解決するの?



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp