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【おそ松さんR18】君がため

第25章 好きになってもいいですか《チョロ松END》




チョロ松くんは、優しい。

チョロ松くんは、あったかい。

チョロ松くんは、お母さんみたいに世話焼きで、いつだってわたしのことを労ってくれる。


……そう、スイッチが入ってしまったときを除いて。






チョロ松「さくらちゃーん。布団干すの手伝ってー」


2階でチョロ松くんがわたしを呼んでいる。

その言葉どおり、布団を干していて、それをわたしに手伝ってほしいのだろう。


「まってー!今、行く!」


わたしは、見ていたテレビを消して、よいしょと腰をあげた。


階段をのぼって、2階に行く。

と、寝室のベランダにチョロ松くんがいた。

チョロ松くんは、兄弟の布団をベランダに引っ張り出して、それを物干し竿に干そうとしている。

けれども、兄弟全員が並んで寝れるほど大きな布団を、チョロ松くんが一人でどうにかできるはずもなく。

チョロ松くんは、ふらふらとよろめきながら布団と格闘していた。


「っと……大丈夫?チョロ松くん」


わたしは、危なっかしいチョロ松くんを、うしろから支えてあげた。


チョロ松「あっ、ありがと、さくらちゃん…」

「こんなの一人で干そうなんて無理だよ。カラ松くんとか十四松くんならまだしも、チョロ松くん、細くて折れちゃいそう」

チョロ松「なにそれ……バカにしてる?」


チョロ松くんは、じとーっとした目でわたしを睨んだ。


「うそうそ、冗談だよ」

チョロ松「でも、たしかに、僕一人で無謀だったかもね。いつもはおそ松兄さんが手伝ってくれるんだけど」

「おそ松くん、新台がどうとかで朝早くに出掛けちゃったもんね…」

チョロ松「……あんのパチカス」


チョロ松くんは、ぼそっと悪態をついた。

それがなんだか可笑しくて、くすくすと笑ってしまう。


「ま、仕方ないよ。ふたりで頑張って干そう?」

チョロ松「うん。ごめんね、さくらちゃん」


謝る必要ないのに。

わたしは、今、自分の意思でこの家にいるも同然なんだから。

せめて、家事くらいは手伝わせてほしい。


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