第23章 どっちが好き?《おそ松END》
ちゅん、ちゅん、と小鳥がさえずる声で目を覚ました。
……もう朝なのか。
まだ眠い。2度寝しても大丈夫かな。でも、チョロ松くんに、わたしが朝ごはん食べないと片付かないって怒られちゃうかな……
わたしは、ふああ、と大きな欠伸をひとつして、身体を起こそうとした。
……しかし。
そこで、やっと、自分の身体が動かないことに気がついた。
「えっ……な、なに?」
あわてて確認すると、わたしの身体は、麻縄のようなもので頑丈に縛られていた。
両手を背中に回されてくくられ、更に、腕と身体を固定するように、縄が何重にも巻かれている。
「ど、どういうこと……?」
はっとして周りを見回すと、そこは、いつも寝起きしている寝室ではなかった。
そこは、狭くて薄暗い空間……寝室の押し入れの中だった。
ということは……
???「あ、おはよう。さくら」
不意に声がして、そちらを向くと、そこにはカラ松くんがいた。
「か、カラ松くん……!?」
どういうこと?
じゃあ、つまり、これはカラ松くんの仕業なの?
「カラ松くん……どういうことなの? なんなの、これ?」
カラ松「ああ……さくらが寝ている間にここに運ばせてらった」
「ど、どうして!? これ、ほどいて!」
必死に腕を動かして拘束をとこうとするが、縄はかなりきつく巻かれていて、抜け出すことができない。
カラ松「あまり暴れないほうがいいぞ。それ、絶対にほどけないし、さくらが痛い思いするだけだと思う」
「そっ、そんな……」
カラ松くん、どうしてこんなことを……?
あなたは……
あなただけは……わたしに酷いことしないって信じてたのに。
「カラ松くん……おねがい、これ、ほどいて…? なんでこんなことするの?」
カラ松「……なあ、さくら。きのう、自分が何をしていたか、俺の目を見て言えるか?」
カラ松くんの目が、鋭い光を宿した。
「えっ…………」
カラ松「きのう、さくらは俺に嘘をついた。そうだろ?」
「あっ、え……う、嘘?」
なにを言っているの、カラ松くん……?