第20章 離れられない《一松END》
わたしに身体をあずけて肩で息をする一松くんが可愛くて、その髪の毛を撫でる。
どうしよう。
わたし……
今……
この人のことが、どうしようもなく愛しい。
「一松くん……」
一松「ごめん、さくら……」
ぽつり、一松くんが呟く。
その謝罪は、何に対する謝罪なのか、よくわからなかった。
しかし、それを問うよりも先に、一松くんの唇が、わたしの唇を塞いだ。
「んんっ……」
甘いキスだった。
とろけてしまいそうな、甘くて深いキスに、わたしは、身を委ねた。
このまま、朝が来なければいいのに、と思った。