第17章 こっち見て【十四松+トド松】
「な、なんでそう思うの……?」
おそるおそるたずねると、トド松くんは、にっこりと微笑んだ。
トド松「カラ松兄さんに聞いちゃったんだー。さくらちゃんと一松兄さんが付き合ってるって」
「えっ……」
そんな。カラ松くん、トド松くんに言っちゃったの?
確かに、口止めをしたわけではないし、言ってもおかしくはない。
十四松「ぼくたちだけじゃないよおー? おそ松兄さんとチョロ松兄さんも知ってるよー!」
「う、うそ……」
トド松「嘘じゃないよ。僕たち、おそ松兄さんに言われてさくらちゃんのこと尾行してきたんだもん」
十四松「ま、こんなことしろってまでは言われてないんだけどねー!」
そう言うなり、十四松くんは、わたしを背後から羽交い締めにした。
身動きがとれなくなって、反射的に逃げだそうと抵抗する。
「ちょっ……放して!」
十四松「んー? 無理だよー?」
トド松「そうそう♪ 大人しくしてね、さくらちゃん」
トド松くんは、床に投げ出された鞄をがさがさとあさり、中からゴム紐のようなものを取り出した。
トド松「さくらちゃん、手うしろに回して?」
「い、いやっ……! 何する気なの?」
トド松「だって、さくらちゃん、すごく反抗的だから。隙を見て逃げられちゃいそう」
「お願い……やめてっ……ここ図書館だからっ…!」
そのとき、トド松くんの口から、ちっ、と舌打ちがもれた。
普段のトド松くんからは、舌打ちをするなんて想像もつかないことだ。
怖くて、涙がにじむ。
トド松「はぁー……手間かけさせないでよ」
「トド松くっ……んぐっ」
突然、背後の十四松くんに、手で口をふさがれた。
十四松「もう……さくらちゃんうるさい。ちょっと黙っててよー」
「んっ……ンンンーッ」
助けて。だれか助けて。
こんなところで犯されるなんて……
誰か入ってきたら……気がつかれたら……どうしよう。
トド松「暴れないで、さくらちゃん」
トド松くんは、わたしの腕をつかみあげると、それを無理やり背中に回した。
そして、さっき鞄から取り出したゴム紐でぐるぐると手首を固定した。
かと思うと、服のボタンを乱暴にはずされた。