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【おそ松さんR18】君がため

第13章 君を好きになった理由




「トド松くん、今帰り?」

トド松「うん、そのつもりだったんだけど、傘もってなくて。濡れながら帰るのも嫌だし、教室で雨宿りしようかなーって思ってたとこ」

「そうなんだ……」


さくらちゃんは、顎に手をあて、うーん、と考え込む仕草をして、

そして。


「よかったら、傘、入れてあげよっか?」


僕にむかって、一本の傘を差し出した。

さくらちゃんがいつも使っている、ピンク色の傘。女の子用だから、僕がもっている傘よりも少し小さめの。


トド松「えっ……? 僕のこと入れてくれるの?」

「うん、もちろんだよ。一緒に帰ろう?」


そして、さくらちゃんは、にっこりと笑った。

あのときと同じ、天使のような笑顔だった。




それから、僕とさくらちゃんは、さくらちゃんの傘であいあい傘をして帰路についた。

 
さくらちゃんの傘は、やっぱり小さくて、狭くて。

僕たちは、お互いの肩と肩をぶつかり合わせながら、いつもよりも狭い歩幅で歩いた。


そのとき、僕は気がついた。

僕は、この子のことが、どうしようもないほどに好きだと。





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