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【おそ松さんR18】君がため

第12章 つぶやき【おそ松】




***


気がつくと、部屋の中は灯りが消えて暗くなっていた。

どうやら、あのあと、いつのまにか眠ってしまったようだ。


シャワールームから、シャワーの音がきこえてくる。

首をひねってそちらに目をやれば、シャワールームから灯りが漏れていた。

おそらく、おそ松くんがシャワーをあびているのだろう。


わたしは、シャワールームに背を向けて、ぎゅっとシーツを握りしめた。


こんなことじゃダメだって、自分でもわかってる……

でも、もうどうしたらいいのか分からなかった。

わたしは、おそ松くんを、……いや、おそ松くんだけじゃない、みんなのことを、愛しいと思い始めている。


「ぐす……う、く」


涙があふれてきた。


と、そのとき。

シャワーの音がとまった。

あわてて涙をとめて、寝たふりをする。


少しして、シャワールームの扉がひらいた。


おそ松「さくら……? 寝てる?」


おそ松くんが、わたしの背中に話しかけてくる。

それは、いつになく優しい声で。

思わず振り向きたい衝動にかられた。


しかし、次の瞬間。


おそ松「……さくら」


ぎゅっと。
背後から抱きしめられた。


おそ松「さくら、ごめんな……俺、もう自分でも何がしたいのか分かんなくなってきたわ」


自嘲気味に、そんなことを呟くおそ松くん。


思わず、身体がこわばった。


なに言ってるの。こんなのおそ松くんらしくないよ。

そう言いたかった。

でも、言えなかった。


きっと、おそ松くんは、わたしが寝ていると思っている。だからこそ、弱音をもらしたんだ。




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