【ハイキュー!!】夢の続き ~another story~
第4章 episode III :孤爪 研磨はいつも傍観。
葵の家は、案外おれたちの近くにあった。
学校が終われば、今まではクロが家に押しかけてきてたのに、今ではそこに葵も参戦してやって来る。
そして、こう言う。
「「研磨ぁー、バレーしよー!」」
ため息をつく。1日1回、習慣のようにため息。けれど腰を上げない。だって、だるい……。
ボタンを押す指は止まることを知らない。
そこへ、ドタドタと廊下で足音が響く。そして、豪快に開けられるドア。もう驚かない。もう慣れた。
「けんめぁ!!バレーしようぜっと!!」
「ぜっと!」
後ろの葵がオウムになる。
構わずゲームに目を落とす。
「そんなのばっかしてねーで、バレーしよーぜーー
なぁ、けんまぁー」
クロにゆさゆさ揺すられる。
隣に座った葵が突然「あっ!」と声を上げた。
その声にビクッと肩が上がる。何事かと思えば、キラキラした目で葵は言う。
「それ!モンスター狩人!!研磨もしてるの!?」
『うん、そうだけど』
「私もやってるんだー!研磨すごい!武器も装備もかっこいい!!」
『そ、そう……?』
ちょっと嬉しかった。
誰かとこんな風にゲームの話をしたことがなかったから。
話についていけないクロは目が点になってる。
クロはゲームみたいな類はちょっと苦手。だって相手、CPだから、挑発とかできない。しても、ムダ。
その辺を得意とするクロは当然、何の面白みも感じないらしい。
「ねぇ、今度通信しよ!」
『うん、いいよ』
「やった!ねぇ、クロも一緒にしようよ」
「……面白くねーからいい」
「そう?」