第1章 ばすけっと [ブラコン:昴]
朝日奈昴
大所帯の九男の彼はバスケに青春を捧げプロになるために頑張っていた。
今日もバスケットゴールのある公園で一人自主練をしていた…のだが、飲み物を買いに自動販売機へ向かい帰ってきたら一人の女の子が自分のボールで遊んでいた。
―あれ、俺のだよな…―
一瞬バスケの練習にでも来たのかと思ったが服装を見る限りスポーツには適していない。
ではなぜ彼女は昴のボールでバスケをしているのか。
トン トン ト……
『っあ!』
コロコロコロ―…
訂正しよう。
バスケをしているというよりドリブルをひたすらしている。
しばらく様子をうかがっていた昴だったが3回以上続かないドリブルを見続けていても仕方ないし、何せ自分も練習がしたい。
いくら最近妹ができたといっても普段女性と接する機会が少ない昴は大学の知り合いなら問題はないのだが、見ず知らずの女性に話しかけるという事で悩んでしまっていた。
―何て声をかけたらいいんだ…―
適当に声をかけたらいいのだが生真面目な性格や女性への免疫の無さが相乗され話しかけれない。
だがこのままでは自分も練習ができない…
昴は意を決して話しかけた。