第1章 *
次第に快感を拾い始めたナカが今まで以上に潤いうねるように締め付け初め、その端正な顔を快楽に歪ませながら長谷部はガツガツと抉るように腰を動かしていく。もう意味のない音しか紡げなくなった私を見て目を細め、行為はいっそ暴力的なまでに激しさを増していく。
「はせべっ、すきっ!すき…っ!」
「っ!!」
「やぁ! おっき…んぁ!」
自分しか映していない長谷部の瞳がとても綺麗で、溢れ出る気持ちを抑えられなくて、無意識に紡いだ愛の言葉に長谷部は目を見開いてそれでも腰は止まらなかった。既に爆ぜる寸前だと思っていた熱は更に嵩を増し、ごりごりとナカを突いては見つけたらしい私の良いところを掠めていく。ぽたりと長谷部の汗が胸元に落ちる事にすら快楽を感じて、再び目の前が白んでくる。長谷部も同じように、ラストスパートとばかりにもっと強く腰を打ち付けてきた。
「はせっ、もう、もう…!」
「あるじ、っあるじ、いっしょに…っ!」
「や、ふぁ、ぁぁあああっ!!」
「っぐ、ぁ…!」
これ以上奥がないというところまでぐりっと先端を穿った時に、私は弾けるようにして声を荒げた。長谷部も堪えきれなかった声を漏らしながら、最奥へとその熱を放出させる。びくびくとナカで震えるその感覚にすら酔いしれて、二人で呼吸を整えながらぎゅっと抱きしめあった。玉のように汗をかくほどの熱気に包まれていたが、自分以上に熱く感じる長谷部の体温がとても心地良かった。
そのうち治まったらしく、ずるりと長谷部のものが引き抜かれ、手早く後処理をしてくれたあとに力尽きたとでも言うように長谷部は私の横へと突っ伏した。まだ息の整わない私をきつく抱きすくめながら、顔中に口付けの雨を降らせてくる。
「あるじ…。」
恍惚したようにとろんとした顔で呼ばれてしまえば、穢れだとか今後のことだとかが全てどうでも良く感じてしまう。今の私には、目の前の長谷部がすべてだ。力の入らない腕を持ち上げて抱き付けば、一寸の隙間もないようにぴったりと寄り添ってくれる。吸い付く肌の感触と、唇に降る甘い口付けに酔いしれながら、私達は想いを通わせ合った。