第5章 再開
あぁ、失敗した。
先輩はポカーンとした表情でこちらを見ている。
「ごめんなさい!!いきなり…」
「ええけど。なんでなん?」
「え、あ…」
「俺のことも知ってたぽいけど。」
やばい。どうしよう。好きって伝えるか?
いや、でもいきなり好きとか言われても…ってなるよね。
なんて考えていると、
「まぁ、いいや。それよりなにしてたん?」
「あ、迷子になっちゃって…」
そう伝えると、クスクスと笑う先輩。
あぁ、もう。好きだ。
「迷子か。迷子…ねぇ。」
「だって広いんですもん...」
「まぁ、広いな。でも、なぁ…?」
そう言いながらまだ笑う先輩。
「もう、笑うのやめてください!」
そう言うと、ごめんごめんといいながら頭を撫でる。
まだ、笑ってるけど…
「ほら、案内してやるよ。えっと…」
「 名前です。櫻井 名前。」
「じゃ、 名前。行くか」
そう微笑みながら言う先輩。
名前呼びは反則でしょう…