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ハイキュー!!夢小説

第3章 月島夢 前編


「ナイッサー!」
第二体育館からキュッキュッというバレーシューズの音と共に、部員の掛け声が聞こえて来る。

そんな運動部特有の熱気にそぐわない人物が1名。

月島蛍


私は、その人物のバレー姿を見に、ここ数日放課後の体育館に通っている。


同じ進学クラス。
教室でも、彼の周りには他の人とは違う、独特な雰囲気が漂っている。

簡単に言うと、クラスにひとりはいる “冷めてる人”


そんな彼がまさかの運動部に入っていると知り、悩みに悩んで、結局見に来る事にし、今に至る。


ただ、今日は早く来すぎた様で、マネージャーの仁花ちゃんだけが体育館で準備をしていた。



ひょこっと体育館内を覗く。

すると後ろから声がした。

『ねぇ、何か用?邪魔なんだけど』

振り返ると、怪訝そうに見つめる月島と、その後ろで心配そうにこちらを見つめる山口が立っていた。

「あ、ごめんなさい」
慌ててそう言うと

『何で敬語なの?君、同じクラスでしょ』
眉をひそめ、まるで理解できないといった表情でこちらを見下ろしながら、体育館へ入っていく。

同じクラスメイトと認識されていないと思っていたので、正直、ちょっと驚いた。


そんな気持ちを知ってか知らずか、苦笑いしながら月島の後を追って体育館へ入っていく山口。


その日も、いつもとかわらない練習風景だった。




それからも、週に2日程、私は放課後の第二体育館へ足を運んだ。



部活の様子を見ていてわかったことがいくつかある。


彼は、部活も授業も変わらず、同じ様子だった。
でも、今まで持っていたイメージは変わった。

“冷めてる人”だと思っていたけれど、実際はやる気が無いわけではなく、そう見えるだけ。

彼なりのやる気スイッチは、バレーに関してはそこそこ高いものだと見て取れた。

そうやって体育館通いをしていたこともあり、少しずつだけど話す機会が増えた。

『また今日も来てるの。お疲れサマ』
「見てるだけで楽しいから」
『本当、暇人だね』

この程度の会話で、どちらかと言えば嫌味を言われるだけだけど、それが彼らしくもあった。
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