第9章 一押し二金三男 \❤︎/
数時間後、凛は足取り軽く艦に戻ってきた。
ずっと高杉とやりたかったこと、行きたかったところに連れて行って貰い凛はとてもウキウキワクワクだ。
「晋助様!たくさんワガママ訊いてくれてありがとうございました!」
「…楽しかったのか」
「すごくすごく楽しかったです!ありがとうございます!」
「…ならいい」
隣で煙を吹かす高杉に笑顔で答えた。
いつもと変わらないこの匂いが心地いい。
「…さて、」
「…晋助、凛」
「…万斉さん!」
名前を呼ばれて声のする方を見ると、そこには万斉が立っていた。
「帰ってきたでござるか」
「はい!ただいまです」
「おかえり。…その姿はどうした?」
万斉は凛の艶やかな姿に驚いたように凛をまじまじと見つめた。
「…晋助様にいただいたんです」
「ほう…晋助は意外にも貢ぎ癖があるようでござる」
「ただ金が有り余ってたから買ってやっただけの話だ」
「全く。凛は幸せ者でござるな」
「…はい。とっても幸せです」
「晋助のこんな姿を見るのは初めてだ。きっと凛だけでござるよ」
「…うるせえ。…今から抱くんだ、邪魔すんなよ」
「ちょっ!?晋助様!!!」
高杉は舌打ちをして軽く万斉を睨みつけると、ひょいと凛を抱き上げた。
「しないでござる。晋助に斬り殺される」
万斉はサングラス越しにフッと笑うと、楽しそうな高杉と戸惑う凛に手を振った。
「いやぁああ万斉さん助けてくださいぃぃい」
「楽しむでござるよ〜」