第8章 あわよくば \❤︎/
高杉はあぐらをかいて、その上に凛を対面させるように座らせると言った。
「ホラ、おまえの好きにしていいぜ」
「…え?」
「シてえんだろ?俺は何もしねえから好きにしていいって言ってんだ」
戸惑いの色を見せる凛に、高杉は意地悪く笑った。
高杉はあぐらをかいたまま両手を後ろについて何もしようとしない。
「…そんなの、恥ずかしいですっ…」
「なら、何もできねえな」
すると凛は我慢ができないのか、ぎゅっと目を瞑って上から恐る恐る高杉に口付けた。
「…ん…」
口付けてもなお、高杉は何もする気配はない。
物足りなくて、凛はゆっくりと高杉の歯を割って舌を差し込んだ。
ゆるゆると舌を絡めると高杉もそれと同じように凛に舌を絡めた。
「…ん、んん」
この体勢だと凛の方が座高が高くて、まるで抵抗しない高杉を襲っているかのようだ。
少し苦しくなって目を開けると、高杉と目が合った。だが恥ずかしくなってすぐさま目を逸らす。
高杉はそれでもなおそのまま目を開けて凛の反応を楽しんでいた。それがなんだか悔しくて、凛もうっすらと目を開けて見つめ合うような形で互いの感触を確かめ合う。
凛は高杉の首に腕を回した。
そしてゆっくりと唇を離すと、そこには楽しそうに笑う高杉の顔が。
「…自分で脱げよ」
「えっ……」
いつもなら勝手に帯を解かれて着物を脱がされてしまうが、今日はそれさえも自分でやらなくてはいけないらしい。
既に羞恥でいっぱいだが、自分でしなければこれ以上先はない。
仕方なく凛は慣れない手付きで自ら着物の帯を解き下着だけの姿になった。