第8章 あわよくば \❤︎/
「オイ凛、離せ…」
「…晋助様っ、」
「…?」
「…晋助様、…行っちゃやだ……っ」
凛は高杉の着物の袖を掴んだまま離そうとしない。
それどころかなんなんだ、これは。
「…凛、」
「…行かないでください。まだ一緒にいたいです…それにっ…」
潤んだ瞳で見つめられて、正直理性は崩壊寸前だった。
このまま押し倒して犯し尽くしたい。
「…それに、なんだ?」
「…えっ……」
高杉は向き直ると、しゃがみ込んで凛の首筋に舌を這わせた。
ペロッと舐めると、ぴくんと凛の体が跳ねる。
「ひゃっ……」
そして耳元で囁いてやる。
「どうした…?早く何がしてぇのか言ってみろよ」
凛の反応を楽しむように、余裕で。
本当は、こちらもあまり余裕などない。
けれど、潤んだ瞳で顔を真っ赤にさせる凛をいじめるのが楽しくて、高杉はニヤリと笑った。
「…分かってるくせに…っ」
「分かんねえよ」
焦らして、焦らして。
さらにいじめたくなる。
「言わねえなら何もしてやれねえよなァ?」
「……っ」
そう言ってまた立ち上がろうとすると、それを止めるように凛は高杉の手をぎゅっと握って言った。
「…晋助さまとっ…………ぇ…………えっち……したいです……っ」
「…ハッ」
顔を真っ赤にして目をぎゅっと瞑る凛をこちらに向かせて、目を見る。
「…やだっ…見ないでください……恥ずかしいっ」
「…最初からそう言やァいいんだよ」
「わかってたくせに……晋助様のいじわる…」