第8章 あわよくば \❤︎/
「…晋助様、大好きです」
久しぶりにぎゅっと抱き締めて、久しぶりに幸せそうな凛にキスをする。
少しだけ、涙の味がした。
「…わたし、晋助様がいないとダメです。晋助様じゃないとダメなんです。だから、その……」
さらに頬を朱に染めて、切なげに凛は言った。
「なんだ?」
「……あのっ」
恥ずかしいのか、口をつぐんだまま一向に口を開こうとしない凛に痺れを切らした高杉はグッと凛に顔を近付けた。
「言ってみろ。妬かせた代わりに言うこと聞いてやらァ」
目線を合わせたまま、真っ赤な顔の凛を覗き込むと、高杉はまたその唇に口付けた。
今度は深く、強く。
「…んんっ…!」
何回も角度を変えて凛を味わう。
「んっ、…はぁっ…」
舌を入れて、貪るようにキスをしても凛は嫌がっていないのか必死にそれに応えようとする。
その姿が何とも可愛くて、今すぐにでも着物を脱がせたくなる。
だが、
「…っはぁ」
長い長い口付けから唇を離すと、高杉は一息ついて言った。
「今日はもうお前も疲れただろ。部屋行って休め」
「…えっ」
本当は今すぐにでも抱き倒したい衝動を何とか抑えて凛に言うと、何故だか凛はとても不服そうな顔をした。
頭を撫でてやっても一向に立とうとしない。
これ以上理性を保つのも辛くて、仕方なく立ち上がり凛を抱き上げて部屋まで連れていこうと試みた。
「…連れてってやるから立て」
きゅっ
すると、不意に着物の袖を掴まれて、見ると凛が高杉の着物の袖を掴んでいた。