• テキストサイズ

【銀魂】 夢か現か

第8章 あわよくば \❤︎/







「……凛?」




「…………!」




歩いていた長屋と長屋が建ち並ぶ細い道。

ここには誰もいない。


そう思っていたのに。




「…凛じゃねえか。何してんだこんな所で」

「…晋助、さま、」



行く先で、ガラッと長屋の引き戸が開いたと思うとそこから高杉が出てきた。



会いたくなかったのに、まさかこんなところで、




「………っ、」




足が竦んで動けなかった。




「あら、高杉さんどうしたの?誰かいたでありんすか」




聞こえた女の人の声。



高杉の後ろから顔を出したのは、紛れもない、あの女性だった。





その女性を見た瞬間、気がついたら走り出していた。




何も知りたくなかった。



見れば見るほど美しい女性で、雰囲気はなんとなく高杉と似ていた。



「オイ凛!」



自分の顔を見るなり逃げ出す凛を不審に思ったのか、高杉は走る凛を追いかけた。



「凛!どこ行きやがる!」



返事が返ってこない。
こんなこと、今までにあっただろうか。


高杉が後を追えば凛などすぐに捕まえられてしまって、それでもなお抵抗しようとする凛の背中を引き寄せた。



「やっ…離してください!」

「離さねえ。なぜ逃げる」

「…っ、晋助様のばかっ…晋助様なんて嫌いです……っ」



今にも消えそうなほどか細い声で凛は言った。
泣いているのか、ぽろぽろと雫が手の上に落ちる。



「…なぜ俺を見た瞬間逃げた?」

「…だって……だって晋助様がっ!…晋助様が悪いんですっ…晋助様が本当に好きな人はその人なんだってっ、だからわたし、っ…」




/ 271ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp