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【銀魂】 夢か現か

第8章 あわよくば \❤︎/




朝、久しぶりに高杉と会ってから涙が枯れるほどに泣いて、泣き疲れて起きた時にはもう午後になっていた。
今日も一歩も部屋から出ていない。高杉と会うのが怖かった。


もう三日もこの生活を続けている。
本当は今すぐにでも出掛けて外の空気を吸いたい。
ずっと部屋の中にこもってこんなことを続けていたら頭がおかしくなってしまいそうだ。



今日も高杉は出掛けたのだろうか。

ならわたしも、少しだけ外に…
そう思い立って、出掛ける支度をして久しぶりに部屋を出た。



高杉と遭遇してしまわないように身を潜めて、ゆっくりと。
小走りで艦の出入口へ向かって、外に出ようとした時。



「…凛」

「…っ」


呼ばれた声に振り返ると、そこには万斉が立っていた。



「出掛けるでござるか」

「はい、少し外に出てみようと…」

「そうか。最近、部屋にこもりきりで元気がないから皆心配していたでござる。晋助も出掛ける前、心配していたでござるよ」

「…晋助様が?」

「ああ。凛に何かあったらすぐに俺を呼べと、注意深く言われた。」


…どうして、そんなことを言うのだろう。

何も分からない。



そのままとぼとぼと歩いて外に出てきた。
だが行き着く宛も何もない。


仕方なくかぶき町の方へ行ってみようと、長屋が建ち並ぶ道を進む。
きっと、これだけ広い江戸でなら会わないだろう。




ゆっくり、でも確かに歩を進める。

泣かないように、落ち込まないように。




前を向いて。








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