第6章 HAPPY VALENTINE'S DAY \❤︎/
「……失敗〜???」
「そう、なんです……」
半涙目で言う凛に、みんなはさらに顰めっ面をした。
「昨日…皆さんの分を作り終わったあとに晋助様の分を作ろうと思って張り切っていたら…張り切りすぎて失敗してしまって……」
「…あらら」
「だから今夜…また作り直そうと思ったんです…」
するとまた子は肩を落とす凛の背中をポンポンと叩いて言った。
「今から作れば間に合うッスよ!晋助様も凛からのチョコ、楽しみにしてるだろうし早く作り直してあげてほしいッス!」
「そうでござる。こんなところで拙者達と話してる暇はないのではないか?」
そうだ。
高杉に少しでも喜んでほしいと思って昨日は頑張ったのだ。
失敗してもまたうまくできるまで作り続けなければ。
朝から鬼兵隊の人々に渡そうと艦の中を走り回っていたためもう日は沈みかけて、夜になってしまった。早く部屋に戻ってチョコレートを作らないといけない。
「……そうですね!皆さん、ありがとうございます!」
凛は俯いていた顔を上げると、笑顔でそう言った。