第6章 HAPPY VALENTINE'S DAY \❤︎/
「また子さん!万斉さん!武市さん!神威さん!阿伏兎さん!ハッピーバレンタインです!!!」
珍しく団欒を楽しんでいた5人に声をかけて、抱えたチョコレートを渡した。
「お、サンキューッス!」
また子と万斉と武市はチョコレートを受け取ると、毎度のことながら素直に喜んでいるようだった。だが神威と阿伏兎はそれが珍しいようで、
「このチョコレート、俺にもくれるの?その上阿伏兎にまで?」
「そりゃ俺にもくれるだろーよ」
「へぇ、嬉しいよありがとう」
本当に嬉しいのか、髪をぴょんぴょん動かしながら神威は笑顔で言った。
「皆さん喜んでくれたなら良かったです」
「毎年あんな大量に大変ッスね」
「いつもありがとうございます。
バレンタインにチョコをくれるのも凛さんしかいませんからねぇ」
「拙者は今でもお通殿には貰っているでござるよ」
「ば、万斉殿ずるいですよ!」
武市が目を見開いて言うと、その光景が面白くて凛はクスクスと笑った。
「で、凛ちゃん晋助にはあげたの?チョコ。」
神威がいきなりその話を持ち出した瞬間、その場にいたみんなが一斉に凛を見た。
「その…実はまだ渡してなくて…」
みんなの目線に身じろぎしながらそう答えると、またみんなは困ったように顔を顰めた。
「なんで晋助様に早くあげないッスか!
わたしなんて朝一であげてきたッスよ!」
「晋助も楽しみにしているでござろう」
「きっと夜のお楽しみなんじゃないかな」
神威がそう言うと、その場にいたみんなは納得したように頷いた。
「ち、違うんです!」
「違うって何が違うの?」
「その…実は……」
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