第6章 HAPPY VALENTINE'S DAY \❤︎/
明日は特別なバレンタインデー。
今年もみんなにチョコレートを渡そうと、凛は一人台所に立っていた。
現在の鬼兵隊はとても大所帯で、皆に渡すとなるとかなりの量を作らなければいけない。
いつも忙しい、もはや明日がバレンタインデーだと言うもの忘れてしまっているであろうみんなのためにもと凛はせっせとチョコレートを砕いていた。
『喜んでくれるかな』 とか、
『おいしく食べて欲しいな』 とか。
みんながチョコレートを食べている姿を想像するとなんだか楽しくなった。
もちろん、あの人の顔も。
少しでも喜んでほしくて、甘い甘いチョコレートを作る。
愛情をたっぷり込めて、特別なものに仕上がるように。
「…喜んでくれるといいな。」
あの人のそんな姿を思い浮かべると、自然と笑みがこぼれた。