第33章 おかえり
唇を離すと微笑む凛の姿に、高杉も同じように微笑んだ。
「そろそろご飯作りますね」
腕によりをかけて高杉の好きな物をたくさん作ると、うまいと言いながら残すことなく全て平らげてくれて、それがたまらなく嬉しい。
そのあとは二人でお風呂に入って、同じ布団にくるまった。
「はぁ〜……」
「あったけえ…それにいい匂いがする」
「今日お布団干しておきましたので、おひさまのにおいです」
「……太陽と、お前のにおいだな」
「…わっわたしのにおいですか?」
「あぁ。…安心する」
二人寄り添って肩まで布団を被ってそんな会話をしていると高杉が優しく抱きしめてくれて、凛も優しく抱きしめ返した。
心地よい温かさと枕元の淡い灯りが眠気を誘って凛は高杉の胸に顔を埋めた。
「わたしも晋助様と一緒だと安心します…眠くなってきちゃいました…」
「俺も眠ぃ…寝ようぜ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
高杉は凛の額にキスをすると、そっと目を閉じた。