第33章 おかえり
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「さて、そろそろお暇しようぜ」
銀時は立ち上がると、置いてあった木刀を手にした。
それに続いて新八、神楽、桂、エリザベスも立ち上がる。
「皆さん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「こちらこそありがとうございました」
「楽しかったアル」
「また来てくださいね!晋助様と、いつでも待ってます」
「あぁ。またな、凛、高杉」
玄関先でみんなを見送って手を振った。
最後に出た銀時が扉を閉めると、高杉に優しく肩を抱かれて凛もゆっくりと高杉に頭を預けた。
「…おかえりなさい」
「それならさっきも聞いたぜ」
「ずっと晋助様におかえりって言いたかったんです。もういっかいただいまって言ってください」
「……ただいま」
『ただいま』
そう言うと、高杉は凛を抱きしめた。
「…ずっとこうしたかった」
「…わたしもです」
抱き締め返すと腕に力がこもって、凛は高杉の胸に顔を埋めた。
変わらないこのにおいと温かさに思わず頬が緩んでにやけていると、高杉は凛の顎を持ち上げてその唇にキスをした。
「…ん」
そしてまた抱き締めると言った。
「…愛してる」
「…わたしも愛してます…大好き」
ぎゅーっとして体を離すと赤く染まった凛の頬が見える。
「顔、赤くなってるぜ」
「だ、だって晋助様が愛してるって…言ってくれたから…」
頬を赤く染めて恥ずかしそうに言う凛が本当に愛しくて、今度はさっきよりも少しだけ長く口付けた。