第33章 おかえり
「これで主役がそろったな。また一から宇野を始めるとしよう」
みんなでテーブルのまわりに集まって、お茶菓子を食べながらなんてことない会話をして宇野をする。
近況を報告し合ったり昔話をしたり。
高杉と銀時と桂は酒を酌み交わして、3人の赤ら顔を見てみんなが笑った。
「銀ちゃん、飲みすぎアル!」
「そうですよ銀さん、いい歳して人様の家で吐いたりなんてしないでくださいよ!」
銀時と高杉は馬鹿みたいに飲み比べ対決をして、桂がそれを咎めて周りは呆れて笑いながらそれを見る。
いつものように掴み合いの喧嘩をしている銀時と高杉でさえなんだか楽しそうで、この光景にじんわりと目頭が熱くなった。
「ゔっ…まだまだ、これからだ…オエッ」
「銀時ィ、お前昔より弱くなったんじゃねーか?」
「弱くなんてなってねーよ…銀さん全然酔ってないし〜!…ゔ、つかお前そんなに酒強かったっけ?」
「銀時が弱くなったんだ、もう歳なんだから無理するなよ」
「お前も同じだろーが!あ、まってやばいゔっ」
「まって袋ー!!!」
「オエエエエェェェ」
凛が危機一髪で袋を渡すと、銀時は袋に胃の内容物を吐き出した。苦しそうに息をする銀時の背中を苦笑いしながら凛はさする。
するとその後ろで笑い声が聞こえて、凛は声のする方を見た。
「ハハ、ったくほんとに馬鹿だな、お前はよォ」
見ると、高杉が楽しそうに笑っていた。
「……」
高杉のその姿を凛は目を丸くして見つめていて、気付けば顔色の悪い銀時も、桂も同じように目を丸くして見つめていた。
「…なんだよ」
何も言わずにこちらを見てくる視線に高杉が笑うのをやめて言うと、凛は目頭が熱くなる感覚を覚えた。