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【銀魂】 夢か現か

第33章 おかえり





ぎゅーっと抱きつけば以前と変わらない高杉の感触に涙が溢れる。
頭をぽんぽんされて高杉の顔を見ると、その優しい顔を見て凛は笑った。


「…俺も会いたかった」


その一言が嬉しくて顔が綻ぶ。
凛の笑顔に、高杉も顔を綻ばせた。


「晋助様、中に入りましょう?」


編笠を受け取り、高杉の手を取って居間に案内する。
中に入ったら高杉はどんな顔をするだろうか。




「おかえり!!!」




居間の扉を開けた瞬間、そこにいた人々を見て高杉は驚きの表情を浮かべた。


「てめーら…」

「よォ、久しぶりだな、高杉」

「皆さん、晋助様のために来てくださったんです」


全く想像していなかったのだろう。
高杉は目を丸くしたあとにフッと笑った。


「…ったく、揃いも揃って暇だな、お前らも」



憎まれ口を叩きながらも、満更でもないような高杉の表情にそこにいたみんなが微笑んだ。
みんながこうして笑顔で揃ったことが、凛にとっては心の底から嬉しかった。


「おかえりなさい、晋助様」
「おかえり」
「おかえりなさい」
「おかえり!」


『おかえり』

皆がその言葉を口にすると、高杉はなんだか照れくさそうな、はにかむような口調で告げた。



「…ただいま」



高杉のその一言だけで涙が出そうだった。
ここにいる皆がどれだけ心待ちにしていたことだろう。


「晋助様、長旅でお疲れでしょう?今お茶を持ってきますので座ってください」


凛は高杉を皆の真ん中に座らせると、台所へと向かった。
その間にも笑い声が聞こえてきて、胸の中がいっぱいになる。


「どうぞ」

「すまねえな」


お茶を渡すと、桂は広げたままになっていた宇野を再度一つにまとめてから言った。



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