第30章 【最終章】夢か現か \❤︎/
余裕のなさそうな高杉の表情が嬉しくて、胸がきゅうっとなって凛はまた高杉の手に触れた。
「…わたしも我慢できませんっ…」
「…ッ」
脚を持ち上げて開くと、高杉は既に固く熱を持ったソレを凛にあてがった。
「…挿れるぜ」
「はいっ…」
答えると、ゆっくりと挿入されて待ちに待った感覚に凛は布団のシーツを握りしめた。
「っ!」
挿入されただけなのに、たまらずすぐにイってしまいそうになる。
初めは感触を確かめるようにゆっくりと。
そしてだんだんと腰の動きを早めれば、気持ちよくてたまらなくて思わず大きな声を出してしまいそうになって息を止めて手で顔を隠した。
「ぁっ…ん、んんっ…!」
「なんで我慢するんだ?もっと喘げよ…ッ」
「だっ、て…やだぁ…見ないで、くださいっ…」
快楽に溺れたこんなはしたない自分など、愛する人に見られたくなくて手で顔を覆う。
「クク、初めて抱かれた時みてえなこと言ってんじゃねえよ。もう何回お前を抱いたと思ってんだ?」
「だって…っ…今わたし、きっとすごくはしたない顔してるからっ… 見ちゃやだっ……」
無意識のうちに涙が溢れて止まらない。
本当はもっともっと高杉を感じて、そして欲しいけれどそう思うたびに自分がとても淫らではしたなく思われる気がして、相手が高杉だからこそそう思われて嫌われたくない。
その間も高杉は動きを止めてくれなくて、嫌なのに、恥ずかしいのにどんどんと快楽の底に落ちていってしまう。
「あっ…っ、んっ…っ!」
本当は今すぐにでも達してしまいそうだ。
けれどそそんな思いが邪魔をして凛は必死にシーツをぎゅっと握りしめた。