第4章 コトバの紡ぎ方
なんだか不思議な気持ちのまま、凛は神威に言われた通り今度は高杉の元へと向かった。
部屋の扉をコンコンとノックすると奥から高杉の声がして、開けるとそこにはまだ煙管を吹かしている高杉がいた。
「晋助様!」
「…どうした?」
「晋助様に神威さんから伝言が!」
「…アイツが俺に、か。」
「はい。神威さんが俺は狙ってないから安心してと仰っていました。けれど何を狙っていないのでしょうか?」
「…あの野郎」
神威の言葉の意味がイマイチ分からなくて、凛は首を傾げた。
すると高杉はグイッと凛の手を引っ張って自分と同じ目線に座らせた。
「きゃっ!」
「…お前は馬鹿か?」
「えっ!」
そう言うと、高杉は凛の細い首筋にキツく吸い付いた。
「…っ…」
首筋にチクリとした痛みを感じて、凛はきゅっと目を瞑った。終わるとまた次々に小さな痛みを感じる。
そして首筋や耳たぶをぺろりと舐められて、くすぐったくて体がピクリと震えた。
「しんすけ、さまっ…」
「…こんだけつけときゃいいだろ」
高杉の膝の上に乗せられながら気付けばもうその行為は終わっていて、凛は首筋にそっと触れた。
「何を、」
「テメェは俺のモンだって印だ。」
「…え!?どういうことですか?」
「…痕を付けられるってことも知らねえのかよ」
高杉はボソッと呟くと、凛に軽くキスをしてから言った。
「今日はずっと簪でもつけとけ。髪が邪魔だろうからな」
「…?わかりました!」
そう言うと、凛は帯に挟んであった簪を取り出して簡単に髪を結った。
「いい眺めじゃねえか」