第23章 もっと熱く、火照ってとろけて \❤︎/
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着物の上に羽織を着て二人で綿雪の中を歩く。
「寒いっ」
冬の街をたくさん満喫して、気がついたらもう夕暮れ時だった。
日が暮れるたび凍えるような寒さになってきて、旅館への道を急いだ。
部屋に戻ってくるとそこは外の寒さが嘘のようにあったかくてとてもほっとする。
「…凛」
「なんですか?」
「風呂入るぞ」
「えっ…!」
棚からタオルと桶を取り出しながら高杉は言った。
「外にでかい露天風呂がある」
「…二人でですか?他の人が来たら…」
「貸切なんだ、誰も来ねえよ」
「っ……」
貸切という言葉にドキッとして凛は顔を赤くした。
「俺達二人だけだぜ。先に入ってる。後から来い」
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「…あのっ、晋助様っ」
服を脱ぎ髪をまとめて露天風呂に向かうと、高杉は先に湯船に浸かり酒を嗜んでいた。
「…早く入れ、風邪ひくぞ」
「失礼しますっ」
高杉の隣に座ってお湯に浸かる。
寒かったぶん、お湯の温かさがじんわりと体に伝わってとても気持ちがいい。
「はぁ〜…気持ちい……」
お湯を手ですくって肩にもかけると、全身が温かくて凛はゆっくりと目を閉じた。
「…あ、晋助様、お酒お注ぎしますね」
高杉から徳利を受け取って酒を注ぐと、高杉はそれを飲み干した。
「雪見酒とは贅沢だな」
「辺り一面銀世界でとても綺麗です」
見渡す限りそこは真っ白な銀世界で、空を見れば満天の星が輝いている。
周りは淡いオレンジの光が輝いてとてもロマンチックだ。