第21章 冷血硬派♡高杉くん \❤︎/
スタスタと早歩きの高杉につられてその場を後にする。
地面に転がる男の姿を見たくなくて、凛は目をつむりながら高杉に引っ張られて歩いた。
だが廃工場から出るところで高杉が立ち止まって男の方を振り返ると、酷く冷たい目と声で言った。
「二度とコイツに近寄るなよ。……次は本気でぶっ殺すぜ」
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無言の高杉に引っ張られて、連れてこられたのは高杉の家だった。
強引に中に入って、誰もいない部屋のソファーの上に座らせられる。
「…あの、晋助様、」
無言に耐えきれず口を開くと、言葉を遮るように高杉は凛を抱きしめた。
「…晋助様?」
「…すまなかった。怪我してねえか?」
「わたしは大丈夫です。それよりもわたしのせいで晋助様が…今すぐ手当てを、」
「あんなもん、殴られたうちに入んねーよ。…それよりもお前だ。あいつらになにされた?」
さっきのことを思い出して口ごもる。
まだ男達の感触がどこかに残っている気がした。
「…どこ触られた」
「…触られてないので大丈夫です」
「…嘘つくんじゃねえぞ」
「…少しだけです」
「…ほんとか?」
「…はい」
「…なぜ隠そうとする?」
高杉の目を見ていると何でも見抜かれてしまいそうでウソなんて到底つけない気がした。
「…だって、言ったら晋助様はまたあの人達のところに行くと思って…」
「行って何が悪い?悪いのは全てアイツらだろ」
「…でも、もしものことがあったらって思うと怖くて…」
高杉は俯く凛の顔をのぞき込んだ。するとまたうっすらと凛の目は涙をためていて、今にもこぼれ落ちてしまいそうだ。