第21章 冷血硬派♡高杉くん \❤︎/
「待ってよ。どこ行くワケ?」
その場から逃げようとした瞬間、また腕を掴まれて男三人に囲まれた。
恐怖でどうしていいか分からなくてただ必死で携帯を開いて履歴から晋助様の文字を押そうとした瞬間、
「っ……!?」
口元を抑えられて、いくらもがいても声も出せないし身動きがとれない。
恐怖で体の力が抜けてその場に崩れ落ちそうになると、男に胸ぐらを掴まれてグッと顔を近付けられた。
「…騒いだら殺すぞ」
これ以上ないくらい冷たい目で睨まれて声を出したくても全く声が出ない。
男3人組は凛の腕を掴み引っ張ると、にぎったままだった凛の携帯電話を奪い取った。
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そのまま強引に腕を引っ張られて連れてこられたのは、人影ひとつない廃工場だった。
さらに恐怖心が高まって息すらも詰まる思いだ。
「怪我したくなきゃ大人しくしててくれや」
すると男はロープを取り出した。
そして工場の柱に凛の体ごと括り付けるとニヤリと笑った。
「これで高杉の野郎ぶっ潰せるな」
「ぜってー泣いて詫びさせてやる」
体を括り付けられて全く身動きができない上に持っていた鞄も携帯電話も全て男達が持っている。
その上声を出そうとしても恐怖で声すら出せない。
「叫んでも無駄だぜ。こんな廃工場誰も来ねえよ」
不意に涙が頬を伝って、弱みなんてものを見せたらさらに相手を煽るだけと分かっていても怖くて涙が止まらない。
足も震えて立っているだけでも精一杯だった。
すると男はポケットから凛の携帯電話を取り出すと、履歴を見せた。