第21章 冷血硬派♡高杉くん \❤︎/
数日後。
凛は委員会を終えて、一人学校を出た。
委員会で居残りをしていたため、もう教室には誰もいなくなってしまって一人で人通りの少ない路地を通って家路につく。
もう辺りは陽が沈みかけ、真っ赤な太陽が凛を照らし出し、上を見上げれば夕陽がとても綺麗で今日も一日の終わりを知らせてくれた。
晋助様は今頃何をしているのでしょう。
そんなことを考えながら歩く。
そういえば、今日も学校に高杉達の姿はなかった。
ということはどこかでみんなで溜まっているか、またケンカでもしているのだろうか。
考えてみるとここ数日高杉の姿を見ることはなく、声すらも聞いていない。
少し寂しくなって、凛は持っていた携帯電話をにぎりしめた。
そして電話履歴を見る。そこにあるのは ゛晋助様 ゛の文字。
押してみようとするけれどなんだかいきなり電話をかけるのも恥ずかしくて、なかなか押すことができない。
数秒待って、やっぱりホームボタンを押そうとした時だった。
「へェ〜〜晋助様、ね〜〜」
「…っ?」
聞き覚えのない声に驚いて振り返ろうとすると、強く手を掴まれて体が震えた。
「お前、この前の高杉の女だよな?」
「えっ……」
「へェ〜意外と可愛い顔してんじゃん。アイツこんな女が好きなんだな」
恐る恐る振り返ると、そこには灰色の制服を着た厳つい男3人組が立っていた。
「えっと……あの、」
「…もしかして覚えてねえの?」
『…灰色の制服着てる奴には近付くなよ』
高杉の言葉を思い出して、凛は掴まれていた手をおもむろに引き離した。