第16章 運動しましょう♡ \❤︎/
「…晋助様、」
会えなかった分不安になってきて、考えれば考えるほど会いたい気持ちは強くなる一方だ。
会うだけならば、
「…あのっわたし、ちょっと行ってきますっ」
気がついた時には走り出していた。
なんだか体は軽やかになって、でもあの人に会いたくて心はきゅうっと締め付けられているようだ。
どこにいるのだろう。
艦の中を走り回って探している時だった。
「っ!」
出会い頭で誰かとぶつかりそうになって、慌てて顔を上げて謝ろうとするとなんと目の前には高杉が立っていた。
「晋助様っ!」
毎日一つ屋根の下にいるというのに、こうして顔を合わせるのも久しぶりな気がした。
いきなりのことになんだか胸がドキドキして、凛は対応に困っていると高杉に強引に腕を引っ張られた。
「晋助様っ?」
「…」
問うても高杉は無言のままだ。
怒っているのか、怖くなって一言も交わすことなく高杉に腕を引っ張られながら足早に後をついていくと、連れてこられた場所は高杉の自室だった。
そのまま扉を開けて中に入れられると、扉は大きな音を立てて閉まりその瞬間に背筋に凍るような恐怖を感じて、凛はぎゅっと目をつぶった。
だが、
「…晋助、さま?」
優しい感触に恐る恐る目を開けると、気付けばそこは高杉の腕の中だった。
どうしたのだろうか。
恐怖を想像したのに、その優しい腕からは恐怖など微塵も感じなかった。