第16章 運動しましょう♡ \❤︎/
「晋助様!凛が晋助様に聞いてほしいことがあるみたいッスよ!」
「えっまた子さん!??」
凛の言葉を待つ高杉の隣で神威はなんだかいつも以上にニコニコ笑っていた。
「…あのっ…えっと…」
「言いたいことがあるならさっさと言え」
「あのっ…………やっぱりなんでもありませんごめんなさい!」
たまらなくなって、凛は身を翻してその場から逃げ出した。
高杉は不思議そうに逃げていく凛を眺めながら煙を吹かす。
「凛てば、晋助様に言いたいことがあるって言ってたんスよ」
「……アイツ」
自分の顔を見るなり何も言わず慌てて逃げていく凛を不審に思ったのか、高杉は煙管を懐にしまって立ち上がった。
「どこ行くの?晋助」
「凛のところだ」
「そっかぁ〜バイバ〜イ」
神威は手をひらひらと振ると、また子も隣で手をひらひらと振りながら高杉を見送った。
「………」
あきらかに、おかしい。
あの態度は誰が見てもおかしい。
何考えてやがる。
高杉は怪訝そうな顔でスタスタと凛の部屋へと向かった。
凛の部屋に着いて、扉をガラッと開けるとそこには案の定凛の姿があった。
何をしているのか、仰向けに寝転んでハアハアと荒く息をついている。
「…おい凛」
「しっ晋助様!」
「…何してやがる」
「えっ、…腹筋ですけど」
「……」
確かに、凛は腹筋をしているようだった。
「…なぜさっき逃げた?」
「決して逃げてなんかないです!」
「…」