第10章 キラキラ.*・゚
「わたしには晋助様にあんな顔させられないって思った。気付いちゃったんスよ。……だから、悔しいからせめてお前の口から直接晋助様に対する想いを聞きたかったんス」
ああ、来島さんはほんとに晋助様が好きだったんだ。
顔を見ていれば分かる。
今までに見たことがないまた子の表情に、胸を打たれた。
「だから今回はお前に譲ってやるッス。あ、勘違いするなよこれからもわたしは変わらず晋助様が好きッス」
「…はい」
「お前が気を抜いたらいつでもわたしが晋助様を奪ってやるッス」
「…はい」
「でもお前の方がわたしよりたくさん晋助様を幸せにできるだろ。だから……ってさっきから聞いてるッスか!?」
「聞いてますよ。晋助様には、わたしがしてあげられることは全てしてあげたいんです。だから、これからはもっと来島さんにも認めてもらえるように頑張ります!」
晋助様への想いも込めてまた子ににっこりと笑いかけると、少しだけまた子の表情も緩んだ気がした。
憧れも尊敬も、好きという気持ちも誰だって持っているし同じなんだ。
「…また子でいいッス」
「…え?」
「また子って呼ぶッス」
「…また子、さん」
「それでいいッス。…これからよろしく」
「…こちらこそ、よろしくお願いします!」
なんだか心のしがらみが解けて、とても自然にまた子と会話ができるようになった気がした。
「…あ、わたしのことも凛って呼んでくださいね」
「…凛」