第10章 キラキラ.*･ﾟ

｢何か理由があるんですか？｣



｢おっお前には関係ないッス！｣



｢…あ、来島さんが言いたくないのなら大丈夫です｣



｢………｣






追及をやめると、反対にまた子は黙ってしまった。







｢…だってお前は晋助様のことが好きッス｣



｢…え？｣



｢…本当はお前が晋助様を好きなことなんて知ってるッス。だからバレないように隠してたのに…無駄だったッスよ｣





また子は諦めたように、また大きな溜め息をついた。


その姿を見て、なんだか自分も言わなくちゃいけないような気がした。






｢…わたしは晋助様が好きです。大好きです。…なのにいつもわたしはその気持ちを胸を張って言えなくて…でもわたしにとって晋助様は大好きな、かけがえのないとても大切な存在なんです。｣



｢………｣



｢…晋助様を想う気持ちは来島さんにも負けません。｣







また子は何かを考えているようだった。



どう思われているかなんて分からないが、大好きな人への想いだけは素直に話したい。




ドクン、と大きく心臓が脈打って、聞こえるのは海の音だけだ。






｢…敵わないと思ったッス｣



｢……？｣



｢お前には敵わないと思ったッス。晋助様を見てても、お前を見てても。見てるだけで本当に好きなんだってことが分かったから。……最初はわたしの方が晋助様を好きだと思ってたのに｣



｢………｣



｢…でもお前の幸せそうな顔を見てると邪魔なんてできなかったッス。……何より、お前といる時だけは晋助様もすごく幸せそうなんスよ。悔しいけど｣





ぽつり、ぽつりとまた子は小さな声で思いを吐き出し始めた。
意外なまた子の本音に、心がじんわりと解けていくようだ。