第10章 キラキラ.*・゚
「…お前の気持ちはその程度ッスか?」
「………え?」
「お前の晋助様への気持ちがその程度だったとはがっかりッスよ」
また子のその一言に、胸には思いっきり刃が突き刺さったかのようだ。
また子は呆れてその場に座り込むと、大きな溜め息をついた。
「…なんで晋助様がお前を好きになったのか分からないッス」
「………」
「…なんで、」
足を前に投げ出して空を眺めるまた子を見ていると、また子に対する申し訳なさと高杉に対する申し訳なさで胸がいっぱいになった。
好きなのに。
あの人のことが大好きなのに。
胸を張って『好きだ』と言えなかった自分に幻滅した。
それにきっと、
「…来島さんは晋助様のことが好きなんですね」
「ッ!?」
小さく呟いた凛の言葉に、また子は驚きで目を丸くして顔を赤くした。
「なっ、なんで知ってるッスか!?」
「…わかります」
高杉の名前を出した途端、顔を真っ赤にさせるまた子が面白くて凛はクスリと笑った。
「くそっ…お前だけにはバレないようにしてたのに……あっ」
「…ばれないように?」
どうやらバレたくなかったらしい。
言った直後にまた子はハッと口をつぐんだ。
「…どうしてばれないようにしていたんですか?」
凛はまた子に近付いて隣に腰を下ろそうとすると、また子はじりじりと後ずさりした。