第9章 一押し二金三男 \❤︎/
「だからダメなんですか?」
「………」
高杉は足元に放り投げられた布団を掴むと自分と凛にかけて、
「…晋助様、」
「…凛、お前は俺だけ見てりゃあいいんだよ」
そう言われたあとに、目を見てニヤリと笑った。
この顔が大好きで、それだけで全て従ってもいいかな、なんて思ってしまう。
「だから他の男のところになんざ行くなよ」
そう言われてやっと気付いた。
その瞬間に顔がパアァっと熱くなる。
「…オイ凛」
「……晋助様っ」
「あァ?」
「もしかしてっ……晋助様も嫉妬…してくれてるん、です、か?」
そう思った時には既に顔は真っ赤で、鼓動がうるさいほどに鳴り響いていた。
恥ずかしくて高杉の顔を直視できなくて、手で隠した指の隙間からチラッと高杉の顔を伺うと今までに見たことのないような表情をしていた。
「…悪ィか」
「……っ」
きゅうんと胸が締め付けられたような思いになって、さらに体が熱くなると不意に無理やり頭を掴まれて唇を奪われた。
「んっ!」
頭を固定されて身動きが取れない。
激しい口付けに、凛は酸素を求めて高杉の胸を軽く叩いた。
「…ぷはっ!」
やっと唇が離れたと思うと、高杉はぷいっとそっぽをむいて凛に背中を向けた。
その仕草がなんだか可愛く思えて、またわしゃわしゃと頭を撫でた。
「晋助様、かわいいです」
「…うるせえ。……男の嫉妬なんざ見苦しいだろ」
「そんなことないです。…うれしいです」