第8章 「 かのじょ 」 二口堅治
休日の昼。
今日は俺の家で真由とふたりで勉強をしている。
まあ、俺的には勉強はどうでもよくて。
真由とふたりになれることが何よりも重要なんだけど。
「なあ、真由。」
「何ですか?」
「あのな、まず、その敬語、いつになったら抜けるわけ?」
「あ、ごめんなさい。クセなもので…。」
「まあ、いいけど。」
真由は敬語で喋るのがクセで、なかなかそれが抜けない。
なんでも、家でも敬語で話すらしく、誰と喋るのも敬語というか、丁寧語というか…。
それがかわいくもあり、寂しくもある。
でも、家族にまでこの口調って…俺と普通に話せる日はくるのだろうか…。