第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
「あ、メール。」
真由ちゃんからメールが届く。
「無事、お付き合いする運びとなりました。潔子、ありがとう。」
とメールには書かれ、西谷とふたりで撮った写メが添付されていた。
写真のふたりからは幸せオーラが溢れている。
良かった。ちゃんと思いが実って。
「おー!やっぱり、そうなるわな。」
私の携帯画面をのぞき見る菅原。
「よかったの?これで。」
何、その鳩が豆鉄砲を食らったような顔。
「菅原も、結構長い間、真由ちゃんのこと好きだったのにね。」
「なんだよ。気づいてたのかよ。」
「菅原も、わかりやすいと思う。」
苦笑いの菅原。
相手が真由ちゃんだったから気づかれなかっただけだと思う。
「まあ、俺はいいのよ。好きな子が幸せでいてくれれば!」
「そう。でも、仕方ないから、あとでジュースおごってげる。」
私がそう言うと、菅原は少し悲しそうに笑いながら 「ありがと」 とつぶやいた。
おわり