第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
「あのね…私の好きな人、ノヤなの。」
「ノヤ?」
「え?!あ、すみません。なんか、自分にとって都合のいい言葉が聞こえた気がしちゃって。今、なんて言いました?」
なんで、私と反応一緒なの?!
「だから、ノヤが好きって言ったの。」
「え?!本当に?!」
「うん。」
「本当の本当の本当に?!」
「そうだよ。」
「真由さんが、俺を?!好き?!」
「そうだってば!!!!」
何度も何度も確認するノヤに思わず笑ってしまう。
やっと納得したのか、ノヤは
「やったーーーーーー!!!」
と大声で叫び、高く飛び跳ねた。
「俺、絶対、大事にするです!」
テンション上がり切って?日本語おかしいし!!
「よろしくお願いします。」
私がそう言うと、ノヤはきらっきらの笑顔をこちらに向け、
「こちらこそ!!!」
と、大きな声で言った。