第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
「うえええええ?!嘘でしょ?」
「嘘じゃないですよ!今までもお会いするたびにお伝えしてたので、てっきり伝わってるんだと思ってました。」
た、確かに、「好きです」って言われてたような気がする。
でも、それって
「潔子にも言ってない?」
「潔子さんには言ってません!潔子さん、憧れてるし、素敵だとは思ってますけど、好きとは違います。」
真剣な顔でそう言うノヤ。
ノヤは裏表がない。
冗談でこんなこと言う子じゃない。
「俺の気持ち、ちゃんとわかってくれました?」
「…はい。いや、でも、なんで・・・?」
「そこまで聞きます?!」
「いや、気になるから。」
何もない自分を好きだと言ってくれる。
理由が見当たらない。