第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
私が答えられずに困っていると
「すみません。無理矢理、質問攻めして。」
「あ、ううん。」
「よし、俺、頑張ります!!」
「ん??何を??」
そう言うと、ノヤは私の正面へと移動した。
「気づいてもらえてないとは思ってなくて。」
「何を??」
「思い返せば、ちゃんと、真剣に、まじめな顔では言ったことなかったかもって思って。」
「うん、だから何を?」
「俺、真由さんのことが好きです。」
「あの?」
「え?!ごめん、なんか、自分にとって都合のいい言葉が聞こえた気がして。なんて言った?」
「ですから!俺、真由さんのことが好きです。」
おかしい、さっきと同じように聞こえる。
「え、私のことが好きって言った?」
「はい。」
笑顔でうなずくノヤ。